マイクロフォーサーズには明るい単焦点が多くラインナップされており、それらの高性能なレンズを使うのが楽しみのひとつでもあります。
それらを使いこなす上で必須のツールが、NDフィルターです。
絞り値の小さい単焦点レンズ(俗に言う明るいレンズ)を晴れの日に外で使う場合は、光の量が多すぎて絞りを数段絞って使う必要があります。そうすると、せっかくの単焦点の特徴であるボケを生かした写真が撮りにくくなります。
そんな場合にNDフィルターを取り付けると、絞りを開いてボケを生かした写真を撮ることができます。
マイクロフォーサーズはマウントの特徴として、レンズを絞り解放から使っても描写がよいということがあります。この利点を存分に発揮するためにも、NDフィルターは必須のアイテムになります。
光の量が多すぎると、オートで撮影している場合、絞りを絞って撮影する設定になります。つまり絞り値が大きくなるので、ボケにくくなります。
絞り優先やマニュアルモードで撮影している場合は、画面に露出オーバーの警告表示が出ます。そのため、絞り値を上げる必要があります。
一般にマイクロフォーサーズのカメラはシャッタースピードが1/4000、ISO感度の下限が100か200になっています。それで対応できない明るさの場合に絞りを開こうとすると、NDフィルターによって 物理的に光の量を減らす必要があります。
NDフィルターは減光のレベルに応じて数字が記載されています。
ND2であれば1段分
ND4であれば2段分
ND8であれば3段分
ND16であれば4段分 の減光です。
ただし、ND16(4段分の減光)のフィルターはマイクロフォーサーズのレンズとしてはお手頃なものがないので、ND4を二枚重ねて付けて4段分の減光を行います。
<絞り値の段数の補足説明>
絞り値の1段分は下記の「→」ひとつの変更分です。
・・・→F1.4→F2.0→F2.8→F4.0→F5.6→・・・
例えば、F2.8で撮影している状況で、ND4フィルター(2段分の減光)を取り付けるとF1.4で撮影すると同じ明るさになります。
一般的にシチュエーションごとの明るさは下の様な目安になります。
EV=12 曇りの日陰
EV=13 明るい曇り
EV=14 晴れ
EV=15 快晴
EV=16 快晴時の海・山・雪景色
例えば「晴れ」の屋外の場合、これは撮影状況としてかなりよくあるシーンだと思いますが、EV値はだいたい14になります。
・EV14の場合、シャッタースピード(SS)と絞り(F値)は以下の通りです。
ISO 200 SS=1/4000 の場合 最少絞り=F2.8
F2.0やF1.4の絞り値が使いたい場合はND4のフィルターが必要です。
さらに「快晴時の海・山・雪景色」といった一番明るいケースだとEV値が16になります。
・EV16の場合
ISO 200 SS=1/4000 の場合 最少絞り=F5.6
F2.8が使いたい場合はND4以上
F2.0が使いたい場合はND8以上
F1.4が使いたい場合はND4を二枚重ねで取り付ける必要があります。
マイクロフォーサーズでボケを生かした写真を撮りたい方はNDフィルターは必要。
特に屋外での撮影が多い方は必須アイテム。
・F値1.4のレンズの場合ND8かND16が必要。
・F値1.7や1.8、2.0のレンズの場合はND8。
・F値2.8のレンズはND4がオススメ。
・46mm径のNDフィルター
対応レンズ:
パナソニック 25㎜F1.4、20mmF1.7、14mmF2.5 、45㎜F2.8マクロ
オリンパス 12mmF2.0
シグマ 19㎜F2.8 30㎜F2.8
左からND4、ND8、可変NDフィルターになります。
可変NDフィルターは、フィルターを回転させることによりND2-8(1段から3段)分の減光を行うことができる優れものです。
ND16以上が必要な場合はNDフィルターの重ね付けになります。
・37㎜径のNDフィルター
対応レンズ: オリンパス45㎜F1.8
この径の通常のNDフィルターはND4までになります。
可変NDフィルターを使うと、ND2-8(1段~3段)まで減光量を調整できます。