Kenko ミラーレンズ 400mm F8 は、現行のマイクロローフォーサーズの専用レンズの中では最も焦点距離が長い400㎜のレンズです。
換算800㎜の超望遠レンズは、太陽や月などの撮影に向いていますし、圧倒的な望遠効果を楽しむことができるでしょう。
このレンズはミラーレンズという種類の特殊なレンズです。
ミラーレンズはその名の通り、ミラーを使ったレンズで、「反射式望遠鏡」をそのままカメラ用に適用したような仕組みです。超望遠レンズを安くコンパクトに作ることができます。
その反面、オートフォーカス(AF)機構を取り次付けるのが難しいことや、絞り機構がないといったデメリットもあります。
また、ミラーレンズのボケは特殊な形状で、一般的にリングボケと呼ばれています。大きくボケた範囲が、通常の玉の様にボケるのではなくドーナッツの様なボケの形になります。このボケの扱いは難しいですが、うまく使うとおもしろい写真が撮れます。
おもしろいレンズではありますが、特殊なMFレンズなので、初心者の方の普段使いとしてはあまりオススメできません。
ただ、安い値段で超望遠が楽しめるので、少し変わった撮影にチャレンジしてみたい方にはおもしろいかもしれません。
■レンズ構成=2群6枚
■最短撮影距離=1.15m
■最大撮影倍率=1 : 2.5
■フィルター径=φ67mm
■大きさ(最大径×全長)=φ112mm×74mm
■質量=340g
・換算800㎜相当の超望遠レンズが、この値段で、このサイズで扱える。
・換算800㎜という圧倒的な画角で、唯一無二のレンズ。
・太陽や月などの撮影に向いている。
・絞りはF8で固定。
・電子接点がないため、レンズのピント位置などの撮影情報はカメラに残らない。
・手振れ補正機構なしの400㎜(換算800㎜)レンズなので、三脚が欲しい。
・400㎜(換算800㎜)はピントの合う範囲が狭い(被写界深度が浅い)ため、シビアなピント合わせが求められる。
・マニュアルフォーカスのみで、シビアなピント合わせを行う必要がある。
・ミラーレンズはボケの形状がリング状(円状)になり、特殊なボケ方になる。
・VS パナソニックLUMIX 100-300㎜、オリンパス75-300㎜
比較対象になるのは、純正の望遠ズームレンズです。
スポーツ撮影や、鳥や動物の撮影など、一般的な使い方を考えているのであれば、これらAFができる純正ズームレンズを選んだ方がいいと思います。
300㎜と400㎜と画角は変わりますが、純正望遠ズームも画質はいいので、デジタルズームやPC上でのトリミングで十分対応できる範囲です。
・VS トキナー Reflex 300mm F6.3 MF MACRO
Kenko ミラーレンズ 400mm F8より後に、トキナーブランドからReflex 300mm F6.3 MF MACROというミラーレンズが発売されています。
300mm F6.3 MF MACROはミラーレスレンズに特化して設計されたレンズで、作りも400㎜F8よりはワンランク上の作りになっています。電子接点を持ち、撮影情報もカメラ側に伝えることができます。
また撮影倍率も1:2を誇るマクロレンズで、汎用性が高いレンズです。
特に超望遠にこだわらないのであれば、Reflex 300mm F6.3 MF MACROの方が使いやすいと思います。